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Angel of explosive flame

下した判断の軌跡

無慈悲な世界 

登場人物

俺:大学生 コンビニバイト
客:小学生(?)


今日、レジしてたんですよ。
まあコンビニバイトなので、基本レジなんですけど。
まあ人少ないし暇だなーと思ってボーッとしてたら

「あの、すみません」

ふとレジ向こうを見ると一人の小学生。
カードでも買いに来たのかな?と要件を聞く。

「クリスマスケーキの予約って今してもいいですか?今ここで書いてもいいですか」

チッ……。
確かにうちのコンビニではクリスマス関連の商品の予約を受付けてます。
ケーキやタルトや酒、フライドチキン等といった類ですね。

だが用紙を記入する客も、店員側の操作もなかなかに面倒で。
幸い人が少なかったからいいものの、受付中に後ろに人が並ばれた時の焦燥感はなかなか……。

用紙の記入法を教えながら、なんとなく聞いてみた。

俺  :お母さんに頼まれたのかな?

小学生:ううん

俺  :え、違うの?

小学生:うん、いや、あの、秘密でプレゼントしようって思って……

俺  :(´゚д゚`)


いやね、思わず素の顔が出ましたね。
このご時世にそんな、なんて親孝行な子供なんだと。
面倒とか思った自分が恥ずかしい。
途中、お母さんに電話してくるっつって電話してたけど
お母さんに25日ってみんないるよね?とか聞いてたり
注文する商品もペアケーキで、
ああお父さんとお母さんにプレゼントするんだなって……。

よくよく聞いてみると兄にも内緒らしい。
どうみてもまだ10歳程度に見える彼が、そんな2000円以上も出すだなんて
幸せそうな家族だなあって、心がほっこりしましたね。


俺  :じゃあこれで受付完了なので、また当日にお控えと代金持ってきてください
小学生:はい、ありがとうございました



返品だけは出来ないことつ伝えつつ無事受付も完了して、その子は去って行きました。
日頃バイト中は感情殺してるんですけど、今日はなかなかいい経験をした……。

感傷に浸りながら店控えの方の用紙を事務所に保管しようと手に取る。
そこに書かれた名前を見て、脳内にノイズが走った。

これは……。

急いで事務所に貼ってある他の予約完了用紙を見る。
俺の違和感は間違いではなかった。
全く同じ名前と住所で、日付だけが違う用紙がもう一枚
予約品の用紙が貼ってある壁に存在した。

訳が分からず混乱する俺。
そこに舞い戻ってくる息も絶え絶えの先刻の小学生。

小学生:あの、すみません
俺  :はい
小学生:お兄ちゃんが先に頼んじゃってて、さっきのケーキって、取り消しできないですか!?


ああ。
全ての合点がいった瞬間だった。
おそらくこの子は、兄に話してしまったんだろうと。
そしてその兄は、同じようにこの店で同じものを注文していたんだろうと。

事務所に存在する二枚の用紙も
ふたりとも父親の名前で注文したんだろうなあ。

こんな兄弟を持った両親はさぞ幸せだろうな……。羨ましい。
願わくばそんな温暖な家庭が、今後もずっと続きますようにと、心の中が綺麗になっていく。

だから俺は、伝えたんだ。




「すみません、取り消しは出来ないんですよ」



そういう操作は出来ないようになってるんだからしょうがない……。
家族4人で食べればいいじゃないかと言っておいた。

でもそんなエピソードも、彼らのクリスマスイブには笑い話になる。
母と父が涙を流せばいいなと思った。

カテゴリ: Real

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